成年後見の申立

こちらのページでは成年後見の申立について説明いたします。

成年後見制度は精神上の障害(知的障害、精神障害、痴呆など)により判断能力が十分でない方が、不利益を被らないよう家庭裁判所に
申し立てをして、その方を援助してくれる人を付けてもらう制度です。

例えば、一人暮らしの老人が悪質な訪問販売員に
騙されて高額な
商品を買わされてしまう
などといったことを最近よく耳にします。

こういった場合も成年後見制度を上手に利用することによって
被害を防ぐことができる場合があります。

また、成年後見制度は精神上の障害により判断能力が十分でない方の保護を図りつつ自己決定権の尊重、残存能力の活用、
ノーマライゼーション
(障害のある人も家庭や地域で通常の生活を
することができるような社会を作るという理念)の理念をその
趣旨としています。

よって、仮に成年後見人が選任されてもスーパーで買い物をしたり、
お店で洋服や靴を買ったりするような日常生活に必要な範囲の
行為は本人が自由
にすることができます。
  
 

成年後見の申立


成年後見制度を利用するには本人の住所地の家庭裁判所に申し立てをする
必要があります。

申し立ての必要な書類と費用はおよそ以下のとおりですが、事案によって多少
異なりますので詳しくは管轄の家庭裁判所に聞いてみるのがよいでしょう。
(静岡家庭裁判所浜松支部につきましては、当事務所でもご回答できます。)
 

申立に必要な書類

◆申立書(家庭裁判所でももらえます)
◆申立人の戸籍謄本1通(本人以外が申し立てるとき)
◆本人の戸籍謄本、戸籍の附票、登記事項証明書、診断書各1通
◆成年後見人候補者の戸籍謄本、住民票、身分証明書、
登記事項証明書各1通(候補者がいる場合)

※登記事項証明書は、東京法務局が発行する後見開始の審判等を
受けていないか、あるいは既に受けているかについての証明書のことです
※身分証明書は、本籍地の役所が発行する破産宣告を受けていない旨の
証明書のことです
◆申立書付票
◆本人に関する報告書(用意できれば)

申立に必要な費用

(1)収入印紙 裁判所によって異なりますが、およそ3,000~5,000円程度です
(2)切手 成年後見制度では、その結果を登記する必要があります。
そのための費用として登記印紙4,000円分が必要となります。
※収入印紙とは異なりますのでご注意ください
(3)登記費用 成年後見制度を利用する場合は、明らかにその必要がないと認められる場合を除いて、本人の精神の状況について医師、
その他適当な者に鑑定をしてもらう必要があります
(4)鑑定費用 鑑定費用の額は事案にもよりますがおよそ5~15万円程度です
 

任意後見契約

ここからは任意後見制度についてご説明いたします。

任意後見制度とは、本人が契約の締結に必要な判断能力を
有している間に
、将来自己の判断能力が不十分になったときの
後見事務の内容と後見する「任意後見人」を、公正証書を作成し、
自ら事前の契約によって決めておく制度です。

なお、任意後見制度での家庭裁判所の関与は、本人があらかじめ
選任しておいた任意後見人を、家庭裁判所が選任した
任意後見監督人を通じて監督するにとどまります。

分かりやすく言いますと、「今は元気でなんでも自分で決められるが、
将来は認知症になってしまうかもしれない」という不安を感じている
方が、将来を見越して事前に公証人役場で任意後見契約を
結んでおき、認知症が発症したと思った時に、家庭裁判所に
申し立てをして任意後見監督人の選任をしてもらうといったものです。

この際、任意後見監督人は本人が選んだ任意後見人がきちんと
仕事をしているかチェックします。

なお、任意後見契約においては任意後見人を誰にするか、どこまでの
後見事務を委任するかは話し合いで自由に決めることができます。

ただし、一身専属的な権利(結婚、離婚、養子縁組など)については
任意後見契約に盛り込むことはできません


任意後見制度は必ず公証人役場で公正証書を作成する必要が
あります。


公正証書作成費用


公正証書を作成する費用は以下のとおりです。

(1) 公正証書作成の基本手数料 1万1,000円
(2) 登記嘱託手数料 1,400円
(3) 登記所に納付する印紙 4,000円

この他にも当事者に交付する正本等の証書代や登記嘱託書郵送代がかかりますが、
詳しくは公証人役場に聞いたほうが良いです。

任意後見制度は、成年後見等の法定後見制度のように現在、
本人に判断能力の
低下がなくても利用することができる
ことや、契約内容が登記されるので
任意後見人の地位が公的に証明されること、家庭裁判所で任意後見監督人が
選出されるので、
任意後見人の仕事ぶりをチェックできることなどの
良いところがあります。

任意後見制度の問題点


しかし一方で問題点もあります。

◆死後の処理を委任することが出来ない
◆法定後見制度のような取消権がない
◆財産管理委任契約に比べ、迅速性に欠ける
◆本人の判断能力の低下前に契約は出来るが、実際に管理は出来ない

良い点・悪い点をしっかりとおさえて、任意後見をするかしないか
判断をすることをお勧めします。

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